稽古場が、僕の活力。

 「新潟」と漢字で書けなくても、「稽古」は書ける。稽古。大辞林のいちばん最初には「武芸・芸事などを習うこと。また、練習」とあるけれど、そうですね、それくらいは分かります。でもこの「稽」の字、考えるって意味だってご存知でしたか?

 お芝居の本番を迎えたぶんだけ、いや当然それ以上に稽古場での思い出はたくさんある。むしろ本番の記憶はすっかり抜け落ちているのにしんどい稽古の光景だけが昨日のことのように鮮明に覚えていることも少なくない。

 出会いは貴重だ。でも、決して楽しいばかりじゃない。気を遣うこともあるし、遣われることもある。ふたり芝居の稽古では、ひどく淋しいときもあった。出演者が多すぎて、自分の立ち位置が分からなくなることもあった。それでも僕は稽古へ行く。良くも悪くも、稽古場は僕が活力を手にする場所だからだ。